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台湾発アートブックwaterfallの編集長に会って来た。

台湾滞在中にwaterfallの編集長Shauba Changに会ってきた。待ち合わせ場所は彼女の友人が働いているというカフェ「眼鏡」。

 

トップ写真:waterfall 編集長 Shauba Chang

 

waterfall http://gotothezoo.waterfallmagazine.com/

 

今はインターネットマガジンのほうがコストも低いし世界へ広がる速度も速い。それでも、コストをかけて紙で発行する理由は?と聞くと、「だって、私は紙の本が大好きだから。」と即答した彼女。とにかく印刷物として発行された本を見て読むことが好きだと言う。学生時代から、ヨーロッパの本や雑誌を読みふけっていたという。

 

『アジアのアートなおみやげ展』ではwaterfall第4号を販売。そのレイアウトやデザインからか、waterfallを購入していただいた方には、普段デザインに関わっておられる方が多かった。

 

「実は、私は学校やスクールで一切グラフィックデザインを学んだ事がないんです。学生時代は、舞台芸術の勉強をしていました。演劇畑の人間です。ただ、演劇とかってポスターとかフライヤー作るじゃないですか。そういった印刷物のデザインを独学でやってきただけです。そういった経緯で、今フリーランスとしてグラフィックデザインなどの仕事をやっています。本当にやりたかった舞台芸術ではなかなか食っていけないんですけどね(笑)。そして、waterfall第4号からは、ほとんど一人で編集・デザインしています。創刊当初はパートナーがいましたが、今はデザインを少し手伝ってもらっている程度です。」

 

waterfall第4号をあらためて眺める。賞味期限のある情報ではなく、全世界のアーティストから送られてきた写真やテキストが詰まっている。これを雑誌というカテゴリーに入れこんで良いものなのかとふと思う。

 

「私は、雑誌ではなく本だと思って作っています。第5号ではハードカバーにしようかなと考えていたりもしますしね。」

 

 

第4号表紙

 

また、それぞれのコンテンツも面白く、テキストや写真が世界のいろんなところから送られてきているというのも面白い。

 

「waterfallは、最初はインターネットで発行してたんです。そうすると、それを見た台湾・海外のいろんなアーティストが「私の写真(もしくは文章)を載せて欲しい」と連絡してきてくれたんです。彼らが連絡してきてくれたことにより、海外のいろんなクリエイターと繋がり、waterfallにいろんな国からの写真や文章が掲載されています。まるでwaterfallを介してネットワークを作ったかのようですね。良い繋がりです。」

 


第4号より

 

また、実は台湾の少数部発行誌やzine、雑誌では、中国語のみのものが多いのに対し、waterfallは中・英バイリンガル。これには、まずは世界のより多くの人に読んでもらいたいという理由と、中国語のみでなく英語もあったほうがデザインとして美しいと判断してとのこと。

 

Shaubaは明るく世間話好きな女の子であるが、waterfallや出版するということについて話を聞くと、揺れ動かないしっかりとした言葉で自分の考えを話してくれる。そして、waterfallは来週開催されるTOKYO ART BOOK FAIRに参加。印刷・製本行程を終えて、できあがって間もないwaterfall第5号を、会場にて発売する。Shaubaの情熱が注がれたwaterfallを直接手に取れる機会。TOKYO ART BOOK FAIRに訪れる予定の方はぜひwaterfallのブースを訪れてみてほしい。